【『なつぞら』】卓越した子役の演技に引っ張られてスタート好調!-ヒロインOG陣vsチームNACKSの活躍も-【北海道・十勝編】
朝ドラ通算100作目を飾る『なつぞら』(NHK)。北海道と東京を舞台に大きなスケールで物語は進んでいきます。
まだ第2週ですが、内容も視聴率も好調な様子。その好スタートの秘密に迫ってみましょう!
久しぶりの「翌日が楽しみな子役」栗野咲莉
好評だった『まんぷく』に続いて、NHK東京制作局が放つ自信作が『なつぞら』です。オープニングがフルアニメーションという斬新さと、そのアニメの完成度の高さがまず目に付いて「良作の予感」がしますよね。
『とと姉ちゃん』や『あさが来る』、『わろてんか』や昨年度の『半分、青い。』と同じく、初回の視聴率が20%超でスタートしました。
ストーリーは大別すると「北海道・十勝編」「東京編」「アニメーター編」の3部構成です。現在は「北海道・十勝編」が始まったばかりなのですが、主人公の奥原なつ(子役:栗野咲莉)が秀逸なんです。
北海道に行く前にあたる「ビフォア北海道編」(勝手にネーミングさせていただきましたw)“東京大空襲、終戦後の闇市”のシーンからして光っていたのです。この子役の輝きは『おしん』の小林綾子以来だと思ったくらいです。
一説によると、ヒロインのオーディションと並んで狭き門なのが“ヒロインの子役時代”と言われていますが、その理由が分かりますよ!
1週目にして、こんな素晴らしい子役に会えるなんて…。いかに密度の濃いドラマなのかが分かろうというものです。
その子役なつが父の戦友・柴田剛男(藤木直人)に引き取られて北海道に渡ってからが「本編」なのですが、ここで放送4日目にして神シーンが登場しました。
なつは柴田家家長の泰樹(剛男の義父/草刈正雄)に学校に行く事を許されずに、夜明けから牧場仕事を手伝わうよう言われます。無口で恐い感じを漂わせていた泰樹でしたが、なつの働きぶりを目の当たりにして考えを改めた様子でした。
それが現れるのが、帯広の市場で長靴を買ってやった帰りに寄った和菓子屋「雪月」での大樹の言葉です。当時は貴重で高価だったアイスクリームを二人で食べながら大樹がなつに静かに語りかけます。
「それは、おまえが搾った牛乳から生まれたものだ。よく味わえ。ちゃんと働けば、ちゃんといつか報われる日が来る。報われなければ、働き方が悪いか、働かせる者が悪いんだ。そんな場所(とこ)はとっとと逃げ出しゃいいんだ。
だが、一番悪いのは、人が何とかしてくれると思って生きる事じゃ。人は人をアテにする者を助けたりはせん。逆に自分の力を信じて働いていれば、きっと誰かが助けてくれるのだ。
おまえはこの数日、本当によく働いた。そのアイスクリームは、おまえの力で得たものだ。おまえなら、大丈夫だ。だから、もう無理に笑うことはない。謝ることもない。おまえは堂々としてろ。堂々と、ここで生きろ」(第1週「なつよ、ここが十勝だ」、第4話より抜粋)
う~ん、草刈さんも渋いですが、大森寿美男(脚本)さんも渋い!! 含蓄あるお言葉ですよね。
このあとの時間帯の番組『アサイチ』でケンコバが、「このまま搾乳(シーン)を半年くらいやっていればいい」と言った気持ちが分かります。
「馬の絵」に魅せられるなつ
こうした働きで、大樹に学校に通う事を許された子役なつはここでも大きな出会いを果たします。口数少なく、いつも馬の絵を描いている山田天陽(子役:荒井雄斗)もそのひとりです。彼の描く馬は躍動感にあふれて、なつの心をとらえたようです。訴えるモノがあったのかも知れませんね。
この雄斗は青年になると吉沢 亮が演じ、兄・陽平(犬飼丈弘)とならんでなつの将来に大きな影響をあたえます。
なつ役は栗野咲莉から広瀬すずへ
学校生活を送るようになった子役なつでしたが、どうしても東京の孤児院にいる兄と連絡が取りたくて、手紙を出し続けます。
それでも返事は1度も来ず、気になって家出をしてしまいます。この家出のエピソードから、広瀬すずの回想(第2週から)という形が取られてなつは農業高校の3年生という設定に一気に飛びます。いよいよ、本当のヒロイン登場でストーリーも本番を迎えるというわけですね。
『なつぞら』への期待も高まるのですが、それも子役時代のエピソードが良かったからだと筆者は考えています。
北海道編のベースとなるキャスト紹介を兼ねつつ、なつの将来である「アニメーター」の存在を天陽の描く「馬の絵」で表していました。伏線を軽く張って、「いよいよ」という期待を視聴者に持たせたという意味においても好発進だったと思います。
キャストを見ると小林綾子『おしん』(1983年)、山口智子『純ちゃんの応援歌』(1988年)、岩崎ひろみ『ふたりっ子』(1996年)、松嶋菜々子『ひまわり』(1996年)と歴代の朝ドラヒロインが広瀬をサポート。
加えて、北海道で活躍する演劇集団「TEAM NACKS」からは音尾琢真、戸次重幸、安田顕が出演して地元を盛り上げています。
こうした要素から、番組スタート直後とはいえ「ブレイクの匂い」が漂う作品。それが、『なつぞら』だと言えるでしょう!!
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