【平成終わりに】天然or計算!?余韻を残して『あさイチ』を去った藤井 隆の狡猾さ!【昭和ネタ】
朝ドラからの流れも含めて、人気を博しているのが情報番組『朝イチ』(NHK総合)です。この番組のMCのひとりの博多華丸が舞台出演のために代役を立てているのですが4/8(月)~4/11(木)までの4日間、この大役を勤め上げたのが藤井 隆でした。
かねてから軽妙なトークと機敏なアドリブ回しには定評があった藤井でしたが、その4日間で大きな爪痕を残す事に成功したのです。
そんな藤井 隆の「どこが凄いのか?」「どこが魅力なのか?」を、ここでは探ってみます。
いきなりの『おしん』ネタで、存在をアピール!
『朝イチ』の面白さのひとつに、直前の朝ドラの感想をMC独自の目線で述べる「朝ドラ受け」というのがあります。先代のMC陣だった有働由美子、井ノ原快彦、NNKの柳澤解説委員(当時)が、番組冒頭に井戸端会議風に言い合ってスタートするのが発祥と言われています。
そうやって下地を作っておいて、朝ドラ出演者が人気コーナー「プレミアムトーク」にゲスト出演した際に「観てるよ」感を出す事に役立てていたんです。
それが昨春のスタッフ総入れ替えを経ても受け継がれて、今日に至っていたという訳です。特に博多華丸の“朝ドラ愛”は相当なモノで、去年の『半分、青い。』放送中にゲストで来た佐藤 健に対しては、「麦田のパン屋でも忙しいところを~」と同時期に出演していた『義母と娘のブルース』(TBS)まで引き合いに出す程の知識量。ドラマ全体が好きみたいですね。佐藤 健も苦笑いしていたくらいでしたから。
その「朝ドラ受け」のエースともいえる博多華丸がお休みすると聞いた時には、筆者は「番組の危機」さえ感じましたから(笑)。そして気になる代役期間が始まったのです。
トップバッターのケンドー・コバヤシは無難にまとめて、いよいよ週が替って8日・月曜日です。当然、朝ドラ『なつぞら』についての発言がと、皆が思っているところで藤井は、
「筏(いかだ)に乗って奉公に行って……かわいそうになって…」
と真顔でコメント。その発言に焦りつつも、博多大吉が「それは、BSの『おしん』の再放送でしょ!」。
そうです、NHK BSでは7:15から『おしん』の再放送をやっているのです。まさか、その『おしん』についての「朝ドラ受け」をするとは。
それだけではなく、間髪入れずに「今日の1曲目は『昭和の歌姫』、中森明菜さんです!」とカマシてくれたのでした。おしん、明菜といった「昭和ネタの連発」に、オジサン・オバサン世代はテレビの前で涙した事でしょう(爆)。
呆れる博多大吉と近江友里江アナウンサーを尻目に、ニヤニヤしていた藤井 隆の「してやったり」といった表情が誇らしげでしたよ。
そもそも藤井 隆って何者なの?
藤井 隆は1972年生まれの47歳、大阪府豊中市出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のタレントです。高校卒業後はサラリーマンをしながら吉本新喜劇で修行を積んで、20歳の時にテレビデビューを果たしたのを機に会社を辞めて専業になりました。
初期の頃は「HOT!HOT!」や「フォー!!」のギャグが有名でした。並行して歌の方でも「ナンダカンダ」で紅白歌合戦(2000年)に出場もしています。まさに“マルチな活躍”ですよね。
また『逃げるが恥だが役に立つ』(2016年、TBS)や大河『真田丸』(同、NHK)、朝ドラ『わろてんか』(2017年、NHK)に重要な役で出演。存在感を見せつけていたのは記憶に新しいところです。
このように、藤井 隆は「進化の芸人」と言っても過言ではありません。才能が枯渇するどころか、広がり続けているようです。
2日目、3日目も「昭和ネタ」で攻めるw
2日目は、まだ博多大吉は油断していたんだと思います(大爆)。朝ドラ受けが普通に終わり、藤井に最初のコーナー振りをさせていましたから。ところが、そこで突然、
「今日のプレミアムトークは仙道敦子さんに『湯殿山麓呪い村』について語ってもらいます」
とやってくれたのです。仙道敦子は俳優・緒形直人夫人で『湯殿山麓呪い村』(1984年、角川映画)に出演していた女優。その仙道さんは『なつぞら』に出演中という、根拠のあるボケだったのでした。構成台本にあるわけじゃなし、このアドリブ風ボケのセンスには感服ですね。
3日目になると博多大吉が警戒しているのもアリアリでした。自分から「藤井さん、今日の特集は?」と尋ねて、
「きょうの1曲目は渡辺典子さんで『少年ケニヤ』です」
と紹介されると、余裕な口調で「今日の特集、打ち合わせしましたよね?『気づきにくい水道トラブル』です」と注意。これに「少年『水道トラブル』ケニヤです」と苦し紛れのコメントを。大吉は笑いながら「もういい、(VTRに)行って下さい」と進行していましたっけ。ちなみに「少年ケニヤ」は1984年角川制作のアニメ映画です(この部分のみ、意味不明ですw)。
これで昭和ネタ3連発。最終日は朝ドラ受けの時はおとなしくしていたので、ボケはありませんでした。一見、奔放にやっているようで実は計算しているんでしょうね。そこに藤井 隆の「恐さ」があると筆者は見ました!
最後は爪痕を残して華麗に消えて行き…
それで長かった代役の最終4日目。番組終盤に差し掛かった時に藤井 隆は、
「今日であさイチを卒業させていただきます。時代にも笑いにもフィットしない私なんですけど、華丸さんはすごいなと思った4
日間でした。華丸大吉さんのすごさを再確認した4日間でした」と、挨拶をしました。
そして、やおら立ち上がって悠然とスタジオ出口へと歩き出して「料理コーナー」の出番を終えた駒村多恵女史を伴い、ホントに消えて行ったのです。
この藤井自体のフィナーレは賛否両論ですが、計算した跡が見えて筆者には好ましく映りましたよ。この4日間を振り返ってみると、「引っ掻き回しているようで、本筋を壊さない」という藤井 隆のダンディズムが見えたように思われます。
「天然に見せかけて、計算してボケる」という新喜劇で培った技術が身についているのでしょうね。そこが「凄い」ところであり「上手い」ところでもあるのではないでしょうか。
「また観たい」って思いますもんね。
華丸さんの朝ドラ受けもいいですけど、“藤井 隆のもイイ”と思われた人も多いハズです!
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